Apple Account 復旧連絡先の設定方法|今すぐ備える
Apple Accountに入れなくなってから、慌てて対処法を探す方は少なくありません。パスワードを忘れた、確認コードが届かない、乗っ取られて変更されていた。どの場合も、困りごとの中心は「本人だと証明する手段が足りない」ことです。
その手段を、元気なうちに1つ増やしておく機能があります。それが「復旧用連絡先」です。家族や身近な人を指定しておくだけで、いざというときの復旧を手伝ってもらえます。設定にかかる時間は、数分ほどです。
この記事では、Appleのサポート情報(2026年9月・10月公開分)をもとに、設定の手順から、実際に使う場面の流れまでをまとめました。なお、Appleの画面上の表記は「復旧用連絡先」です。この記事の見出しでは、探しやすいように「復旧連絡先」とも書いています。
復旧連絡先とは?乗っ取りの前に備える理由
復旧用連絡先は「コードを教えてくれる人」です
復旧用連絡先とは、自分で指定した、Apple Accountのアクセス回復を手伝ってくれる人のことです。アカウントの復旧手続きを進めると、その人のデバイスに、本人用の「復旧用コード」が届きます。このコードを自分のデバイスに入力すると、Apple Accountのパスワードをリセットできます。
ここで大事なのは、復旧用連絡先になった人が、あなたのアカウントに入れるわけではない点です。Appleの案内でも、復旧用連絡先はアカウントにアクセスできず、コードを教えられるだけとされています。
Appleは誰が連絡先かを把握していません
プライバシーを守る目的で、誰が復旧用連絡先なのかは、Apple側からは分からない仕組みです。そのため、誰を指定したかは、自分で覚えておく必要があります。メモ帳や紙に控えておくと、いざというときに慌てません。
設定していなくても復旧はできますが、時間がかかる場合があります
復旧用連絡先を設定していなくても、アカウントの復旧手続きは最後まで進められます。ただし、連絡先に手伝ってもらわない場合は、復旧にかかる時間が長くなる可能性がある、とAppleは説明しています。
アカウントの復旧手続きでは、Appleが安全のために待機期間を設けます。待機は数日、またはそれ以上かかることがあり、Appleサポートに連絡しても短縮はできません。この待ち時間の間、メールや写真、支払いの手段が使えない不便さを考えると、事前の備えには意味があります。
乗っ取りの場面で、なぜ役に立つのか
乗っ取りの被害にあうと、パスワードや、登録してある電話番号を変えられてしまう場合があります。こうなると、ご自身ではログインもリセットもできません。
このとき、信頼できる人に復旧を手伝ってもらえる手段が残っていれば、立て直しの選択肢が増えます。ただし、復旧用連絡先は「乗っ取りを防ぐ機能」ではありません。入られてしまった後に、取り戻しやすくするための備えです。
先に用語をやさしく説明します
- Apple Account:以前は「Apple ID」と呼ばれていた、Appleのサービスを使うためのアカウントです。
- 2ファクタ認証:パスワードのほかに、デバイスに届くコードでも本人確認をする仕組みです。
- 復旧用コード:復旧用連絡先のデバイスに表示される6桁の数字です。
- iMessage:Apple製品同士で使える、メッセージのサービスです。
- ファミリー共有:家族で、購入したアプリや保存容量などを共有できる仕組みです。
設定の前に確認したい条件と準備
設定できる条件は5つあります
Appleの案内では、復旧用連絡先を追加する前に、次の準備が必要になる場合があります。
- お使いのすべてのAppleデバイスが、iOS 15、iPadOS 15、macOS Monterey 12以降であること
- 復旧用連絡先に指定する人も、iOS 15、iPadOS 15、macOS Monterey 12以降のデバイスを持っていること
- 本人と復旧用連絡先の両方で、iMessageが有効になっていること
- 本人と復旧用連絡先の年齢が、13歳を超えていること(年齢は国や地域によって異なります)
- 求められた場合は、Apple Accountで2ファクタ認証を有効にすること
古いソフトウェアのまま使っていないデバイスがあると、アカウントから削除するよう案内される場合があります。最新のiOSに上げておくと、手順がスムーズに進みます。
最大5人まで追加できます
追加できる復旧用連絡先は、1つのアカウントにつき最大5つです。1人だけに任せると、その人が連絡のつかない状態のとき、復旧が進みません。可能であれば、2人以上を登録しておくと安心です。
誰を指定すればいい?
Appleは、家族や近しい友人など、自分が知っていて信頼できる人を指定するよう案内しています。選ぶときの考え方を、いくつか挙げます。
- 普段から連絡が取れる人(電話に出てもらえる人)
- Apple製のiPhoneやiPad、Macを使っている人
- 長く付き合いが続きそうな人
- 説明すれば、コードを他人に渡さないでいてくれる人
復旧の場面では、連絡先と直接会うか、電話で話す必要があります。遠くに住んでいても大丈夫ですが、いつでも電話がつながる人のほうが頼りになります。
高度なデータ保護を使っている方へ
iCloudの高度なデータ保護(保存データを、より強く暗号化する機能)を使っている場合、復旧用連絡先は、暗号化されたiCloudデータへのアクセスの手伝いにも使えます。設定時に、復旧用連絡先と「復旧キー」のどちらを使うか、決めるよう案内されることがあります。高度なデータ保護をオンにしていない方は、気にしなくて大丈夫です。
iPhoneとiPadで復旧用連絡先を設定する手順
ここでは、iPhoneを例に説明します。Appleのサポートページ(2026年9月14日公開)では、iOS 27の画面で案内されています。
手順1:設定からサインインとセキュリティへ
「設定」アプリを開き、いちばん上にある自分の名前をタップします。続けて「サインインとセキュリティ」をタップしてください。
手順2:復旧用連絡先を追加する
「復旧用連絡先」をタップし、「復旧用連絡先を追加」を選びます。画面の案内に沿って、本人確認の操作が求められます。
手順3:連絡先を選ぶ
候補として、推奨された連絡先が表示されます。その中から1人を選ぶか、「ほかの連絡先を選択」をタップして、別の人を追加します。
手順4:参加依頼の扱い
ファミリー共有のグループにいる人を選んだ場合は、その人が自動的に追加されます。ほかの人を選んだ場合は、メッセージアプリ経由で届く参加依頼を、相手に承諾してもらう必要があります。
手順5:承諾を確認する
相手が承諾すると、復旧用連絡先として追加された、というメッセージが画面に表示されます。相手が依頼を断った場合や、あとから指定を解除した場合も、通知が表示されます。その際は、新しい連絡先を選び直せます。
相手側にお願いすること
ファミリー以外の人に頼む場合は、先に電話やLINEで、一言伝えておきましょう。「Apple Accountの復旧用連絡先になってほしい」「あとでメッセージアプリに依頼が届く」「承諾してもらえればOK」。この3点を伝えるだけで、相手も落ち着いて対応できます。
Macで復旧用連絡先を設定する手順
Macを使っている方は、Macからも設定できます。操作は、iPhoneとほぼ同じ流れです。
Macの手順
- 画面左上のAppleメニューから「システム設定」を選び、自分の名前をクリックします。
- 「サインインとセキュリティ」をクリックし、「復旧用連絡先」を選びます。
- 「復旧用連絡先を追加」をクリックし、画面の案内に従います。
- 推奨された連絡先から選ぶか、「ほかの連絡先を選択」をクリックして別の人を追加します。「続ける」をクリックします。
- ファミリー共有の人は自動的に追加されます。ほかの人は、メッセージアプリで承諾してもらいます。
どちらのデバイスから設定しても、アカウント全体に反映されます。iPhoneを持っていなければ、Macだけでも設定できます。
発売直前の端末を守る|Apple純正 iPhone Duoケース
復旧の備えとあわせて見直したいのが、端末そのものの守りです。2ファクタ認証のコードは、手元のiPhoneに届きます。落として壊した、紛失した、という場面は、そのまま「本人確認の手段を失う」ことにつながります。
10月23日に発売される折りたたみのiPhone Duoは、本体の価格が高く、修理費も安くありません。Appleの発表では、保証対象外の修理で、内側ディスプレイの損傷は182,800円とされています。買ったその日からケースをつけておく人が多いのも、うなずけます。
Appleは、本体の発表と同時に、Apple純正のiPhone Duoケース(税込14,800円、ネイビーブルーとサンドの2色)を案内しています。折りたたみの形に合わせた専用設計で、通常のiPhone用ケースは使えません。発売日は、情報の確認時点では明らかになっていません。
設定したあとにやっておきたいこと
追加できたかを確認します
設定が終わったら、「設定」の「サインインとセキュリティ」から「復旧用連絡先」を開き、相手の名前が並んでいるかを確認します。承諾待ちの状態になっていないかも見ておきましょう。
誰を指定したかを、自分で控えます
先ほど触れたとおり、Appleは誰が連絡先かを把握していません。名前と電話番号を、手帳やメモに書き留めておきます。iPhoneの中だけに残すと、ログインできない場面で見られなくなります。紙に書いて、家の決まった場所に置いておく方法が確実です。
相手にも、役割を伝えておきます
復旧用連絡先になった人は、コードを求められたときに、本人かどうかを確かめたうえで渡す役割があります。Appleは、コードは本人にだけ直接教え、ほかの人から求められても教えないよう案内しています。家族や友人にも、この点を共有しておきましょう。
定期的に見直します
連絡先の電話番号が変わった、相手が機種変更をした、関係が変わった。こうした変化は、気づかないうちに起きます。年に一度は、一覧を開いて、いまも頼れる人かを見直してください。不要になった連絡先は、設定画面から外せます。
実際にログインできなくなったときの流れ
ここからは、備えたあとの話です。もしものときに、復旧用連絡先がどう使われるのかを知っておくと、落ち着いて対応できます。
まず、通常のパスワードのリセットを試します
アカウントの復旧手続きを始める前に、まず、パスワードの変更またはリセットを試してください。すでにApple Accountにサインインしている別のデバイスがあれば、そのデバイスでパスワードを変更できます。この操作で、復旧リクエストはキャンセルされ、新しいパスワードでアクセスできるようになります。
リセットできなければ、アカウントの復旧手続きを始めます
パスワードをリセットできない場合は、アカウントの復旧手続きを開始します。手続きを始めると、Apple Accountへアクセスできる具体的な日時が書かれた確認メールが、72時間以内に届きます。
復旧用連絡先と、直接会うか電話で話します
アカウントの復旧のために、いくつかの情報を確認したあと、復旧用連絡先と直接会うか、電話で話す必要があります。連絡先の人は、自分のデバイスで次の操作をします。
- 「設定」を開き、自分の名前をタップします。
- 「サインインとセキュリティ」から「復旧用連絡先」をタップします。
- 「以下の人のアカウント復旧用連絡先」の欄で、あなたの名前をタップします。
- 「復旧用コードを取得」をタップします。
表示された6桁のコードを、電話などで聞き取り、自分のデバイスに入力します。これで、パスワードをリセットできる状態になります。
待機中に気をつけたいこと
Appleのサポート情報には、待機中にやってはいけないことが書かれています。
- 待機期間を短くしようとして、Appleサポートに問い合わせても、短縮はできません。
- 追加の情報が見つかっていないのに、新しいリクエストを送ると、待機期間が延びる可能性があります。
- ウェブで復旧手続きを始めた場合は、待機期間中、持っているすべてのAppleデバイスの電源を切るよう案内されています。
- アカウントにサインインしたままのデバイスを使うと、復旧リクエストが取り消される場合があります。
状況は、iforgot.apple.comで確認できます。リクエストを始めたときと同じメールアドレスや電話番号を入力してください。
覚えのない復旧リクエストが届いたとき
自分で復旧手続きをした覚えがないのに、Appleから確認メールが届くことがあります。Appleは、第三者がアカウントにアクセスしようとしている可能性がある、と案内しています。メールに記載されたキャンセルのリンクを使い、パスワードの変更と、アカウントの安全性の見直しをすぐに行ってください。
復旧連絡先のほかに、見直したい3つの設定
復旧用連絡先は、あくまで「入られたあと」の備えです。入られないための土台も、あわせて整えておきましょう。
2ファクタ認証をオンにします
パスワードが知られても、すぐにはサインインされないよう、2ファクタ認証をオンにします。復旧用連絡先を設定する条件にもなっているため、ここがオンでなければ、先に済ませておきます。
信頼できる電話番号を最新にします
パスワードのリセットなどで、確認コードが届く先の電話番号です。解約した番号や、使わなくなった番号が残っていないかを見直します。機種変更や、eSIMへの切り替えを行った際にも、確認しておくと安心です。
不審なメールやメッセージのリンクを開かないようにします
Appleをかたるメールやメッセージから、偽のサインイン画面に誘導する手口が報告されています。メールの内容に不安を感じたら、リンクは開かず、設定アプリから、自分のApple Accountの状態を確認してください。Appleに関する最新の注意喚起は、テックスタイルchのブログでも随時お伝えしています。
うまくいかないときの対処法
「復旧用連絡先」の項目が出てこない
iPhoneやMacのソフトウェアが古いと、項目が出ない場合があります。「設定」から、iOSのアップデートがないかを確認してください。使っていない古いデバイスがアカウントに残っていると、削除するよう案内されることもあります。
相手に参加依頼が届かない
ファミリー共有に入っていない人に頼んだ場合は、メッセージアプリで届く依頼を、相手に承諾してもらう必要があります。相手のiMessageがオンになっているか、確認してもらいましょう。依頼を見落としているだけの場合も多いので、電話で一言添えると解決することがあります。
相手が断った、または解除された
依頼が断られたときや、相手から指定を解除されたときには、通知が表示されます。新しい連絡先を選び直せるため、別の信頼できる人に、あらためて頼んでください。
ご自身での判断が難しいとき
画面の表示が自分の端末と違う、設定の途中で止まってしまう、すでにログインができなくなっている。こうした場合は、無理に進めず、LINEメンバーサポートからご相談ください。
Q&A|よくある質問
Q1. 復旧用連絡先になった人に、私のデータを見られませんか?
見られません。復旧用連絡先は、あなたのアカウントにアクセスできず、復旧用コードを伝えられるだけと、Appleは説明しています。写真やメッセージの内容が見える仕組みでもありません。
Q2. 何人くらい設定しておけばいいですか?
最大5人まで追加できます。1人だと、その人と連絡がつかなくなったときに困るため、可能であれば2人以上がおすすめです。家族と、別の友人を組み合わせておくと、安心感が増します。
Q3. 家族がいない場合は、友人でも大丈夫ですか?
大丈夫です。Appleは、家族や近しい友人など、知っていて信頼できる人を指定するよう案内しています。メッセージアプリで参加依頼を承諾してもらえば、追加できます。
Q4. 復旧用連絡先がいなくても、アカウントは取り戻せますか?
復旧用連絡先がなくても、復旧手続きは最後まで進められます。ただし、連絡先に手伝ってもらわない場合は、時間が長くなる可能性があります。状況によっても変わるため、詳しくはAppleの案内で確認してください。
Q5. 自分が誰かの復旧用連絡先になったときは、どうすればいいですか?
相手から依頼が届いたら、内容を確認して、承諾するかどうかを決めます。承諾したあとは、相手が復旧手続きを進めているときに限り、コードを渡します。本人確認をせず、他人にコードを教えることは避けてください。やめたいときは、自分で連絡先から外すこともできます。
Q6. 子どもに復旧用連絡先を設定してもいいですか?
年齢の条件として、本人と連絡先の双方が13歳を超えている必要があります(国や地域によって異なります)。お子さんのアカウントについては、Appleのファミリー共有の案内を、あわせて確認してください。
Q7. 乗っ取られたあとからでも、設定できますか?
乗っ取られた状態では、アカウントの設定そのものを変えられない場合があります。復旧用連絡先は、あくまで事前の備えとして、ログインできるうちに設定しておく機能です。
まとめ
復旧用連絡先は、Apple Accountに入れなくなったときに、信頼できる人にコードを出してもらい、パスワードをリセットできる仕組みです。設定していなくても復旧はできますが、連絡先に手伝ってもらわない場合は時間が長くなる可能性があります。
設定の流れは、「設定」から自分の名前、「サインインとセキュリティ」、「復旧用連絡先」へ進み、連絡先を選んで承諾してもらうだけです。条件として、iOS 15以降、iMessageのオン、2ファクタ認証などが必要になります。追加できるのは最大5人までです。
設定が終わったら、誰を指定したかを紙に控えて、相手にも役割を伝えておきましょう。年に一度の見直しも、あわせておすすめします。
不安な点があるときや、設定が途中で止まってしまったときは、LINEメンバーサポートにご相談ください。今回のような備えの手順は、テックスタイルchのYouTubeチャンネルでも、動画でわかりやすく解説していきます。


