Apple Account復旧連絡先の設定|乗っ取り後に備える
Apple Accountに入れなくなると、iPhoneの写真、連絡先、バックアップ、iCloudのデータに、いっせいに手が届かなくなります。パスワードを忘れた場合もあれば、第三者に勝手にパスワードを変えられた場合もあります。
こうした事態は、起きてからでは動きが取りにくくなります。そこで役に立つのが、「復旧用連絡先」です。信頼できる人をあらかじめ登録しておき、アカウントに入れなくなったときに、その人の助けを借りて、復旧を進める仕組みです。この記事では、「復旧連絡先」と書きますが、Appleの正式な名前は「復旧用連絡先」(または「アカウント復旧用の連絡先」)です。
この記事では、初心者の方に向けて、復旧連絡先とは何か、設定の条件と手順、頼まれた側の対応、実際に困ったときの流れを、順番に説明します。設定そのものは、数分で終わります。YouTubeチャンネルのテックスタイルchでも、Apple Accountの守り方を動画で紹介しています。画面を見ながら進めたい方は、あわせてご覧ください。
情報は、2026年10月18日時点で確認できた、Appleの公式サポートページの内容をもとにしています。画面の表示は、iOSのバージョンによって異なる場合があります。
まず結論:今すぐやる3つ
早見表
| 順番 | やること | 目安の時間 |
|---|---|---|
| 1 | 復旧連絡先にお願いできる、信頼できる人を決める | 3分 |
| 2 | 「設定」から、復旧用連絡先を追加する | 3分 |
| 3 | 相手に、頼んだことと、コードの扱いを伝える | 2分 |
復旧連絡先は、「予防」ではなく「復旧のための備え」
先に整理しておくと、復旧連絡先は、乗っ取りそのものを防ぐ機能ではありません。パスワードの使い回しをやめる、2ファクタ認証を使うといった「予防」は、別の対策です。復旧連絡先は、予防をすり抜けられたときや、自分でアクセスできなくなったときに、立て直しを助けるための仕組みです。予防の方法は、Apple Account不正ログイン|海外から通知が来たらで説明しています。
復旧連絡先とは
Appleの説明
Appleのサポートによると、アカウント復旧用の連絡先は、パスワードやデバイスのパスコードを忘れた場合や、パスワードやパスコードが許可なく変更された場合に、アカウントへのアクセスの回復を支援してくれる、信頼できる人です。
できること、できないこと
復旧連絡先は、あなたのアカウントにはアクセスできません。できるのは、必要なときに、6桁の「復旧用コード」を生成して、あなたに伝えることだけです。そのコードを、自分のデバイスに入力すると、本人確認が進み、パスワードをリセットできるようになります。
つまり、頼んだ相手に、写真やメッセージを見られる心配はありません。
ほかの「連絡先」との違い
Apple Accountには、似た名前の仕組みがいくつかあります。混同しやすいので、整理しておきます。
| 仕組み | 役割 | 使う場面 |
|---|---|---|
| 復旧用連絡先 | アカウントに入れなくなったとき、復旧用コードで助けてもらう | パスワード忘れ、許可なく変更された |
| 信頼できる電話番号 | 2ファクタ認証の確認コードを受け取る | サインインのたび |
| 故人アカウント管理連絡先 | 自分の死後に、データへのアクセスを引き継ぐ | 亡くなったあと |
故人アカウント管理連絡先は、別の機能です。アクセスには、本人が設定のときに生成した「アクセスキー」と、死亡証明書が必要になります。
なぜ今、備えておくのか
国内で個人情報の流出が相次いでいる
国内では、企業からの個人情報の流出が相次いでいます。流出したパスワードが、ほかのサービスで試される「リスト型攻撃」や、Appleを名乗る偽メールなど、Apple Accountを狙った動きへの注意が、複数の機関から呼びかけられています。気をつけていても、被害に遭う可能性は、ゼロにはできません。
流出の状況は、個人情報流出から身を守る対策|今優先して確認する5つにまとめています。
「自分だけでは戻れない」状況がある
乗っ取りで、パスワードを勝手に変えられた場合や、iPhoneを紛失して、確認コードを受け取れなくなった場合、自分ひとりでは、アカウントに入れなくなることがあります。確認コードが受け取れないときの対処は、iPhone紛失・盗難時にiCloudへログインできない!確認コードが受け取れない場合の対処法にまとめています。
復旧には、時間がかかる場合がある
アカウントの復旧は、本人確認のために、時間がかかる場合があります。復旧連絡先をあらかじめ設定しておくと、自分で本人確認を進めたうえで、信頼できる人のコードを使って、手続きを進められます。時間が読めない場面で、選べる手段が増えるのが、備えておく意味です。
新しい端末に替える時期は、見直しの機会
2026年10月23日には、iPhone Duoが発売されます。新しい端末に買い替えるタイミングは、アカウントの設定を、まとめて見直すよい機会です。復旧連絡先も、そのときに設定しておくと、後回しにしにくくなります。
設定前に確認:条件と、選ぶ人のポイント
復旧連絡先になる人の条件
Appleの案内によると、復旧連絡先になる人は、次の条件を満たす必要があります。
- 13歳以上であること(年齢は国や地域によって異なります)
- iOS 15、iPadOS 15、macOS 12以降を搭載したデバイスを持っていること
- 自分のApple Accountで、2ファクタ認証をオンにしていること
- 自分のデバイスに、パスコードを設定していること
Apple製のデバイスを持っていない人は、復旧連絡先に選べません。
選ぶ人のポイント
誰を選ぶかは、設定の中でいちばん大事な部分です。次の点を目安にしてください。
- すぐに連絡が取れる人: 電話やメッセージが、普段から通じる人
- 信頼できる人: 復旧用コードを、本人にだけ渡してくれる人
- ファミリー共有に入っている家族: Appleは、家族を選ぶことをすすめています
- 自分と、別の場所にいる人: 同居の家族だけでなく、別居の家族や友人も入れておくと、同じ災害などで、全員が連絡できなくなる可能性を減らせます
選ぶ人数
Appleは、信頼できる1人以上を選ぶよう案内しています。上限の人数は、確認できていません。複数人を登録できるので、2人以上を設定しておくと、1人に連絡がつかなかったときの備えになります。
避けたい人
連絡先が、よく変わる人や、普段あまり連絡を取らない人は、いざというときに、連絡がつかない可能性があります。復旧用コードを他人に教えてしまいそうな人も、避けてください。
復旧連絡先の設定手順
iPhoneでの手順
Appleのサポートでは、iPhoneで次のように設定する方法が案内されています。
- 「設定」を開き、画面の上にある自分の名前をタップする
- 「サインインとセキュリティ」をタップする
- 「復旧用連絡先」をタップする
- 「復旧用連絡先を追加」をタップし、Face IDなどで認証する
- 連絡先を選ぶ(ファミリーの家族、または「ほかの人を選択」)
- 画面の指示に従って、依頼のメッセージを送る
- 相手が承認すると、設定が完了する
画面の表示は、iOSのバージョンによって異なる場合があります。
ファミリー共有の家族を選んだ場合
ファミリー共有のグループに参加している場合は、グループのメンバーを選ぶことが、Appleから推奨されています。家族を選んだときは、その人が、自動的に追加されます。
連絡先から選んだ場合
「ほかの人を選択」から、連絡先に登録している人を選んだ場合は、その人に、リクエストを承認してもらう必要があります。承認されるまでは、復旧連絡先として有効になりません。相手に、あらかじめ、頼むことを伝えておくと、スムーズです。
設定できないとき
設定が進まないときは、条件を確認します。
- 自分のiPhoneやiPadが、最新のソフトウェアになっているか
- 自分のApple Accountで、2ファクタ認証がオンになっているか
- 相手が、条件(13歳以上、対応するOS、2ファクタ認証、パスコード)を満たしているか
条件を確認しても進まないときは、LINEメンバーサポートでご相談いただけます。状況に合わせて、確認する場所をご案内します。
設定後の確認
設定が終わったら、同じ画面を開き、追加した人の名前が、復旧用連絡先として表示されているかを確認してください。相手の承認待ちの場合は、承認されたかどうかを、あとで見ておきます。
頼むときの伝え方
相手に伝えること
復旧連絡先は、相手が承諾してくれてこそ、役に立ちます。依頼するときは、次の3点を伝えてください。
- Apple Accountに入れなくなったときのために、復旧連絡先をお願いしたいこと
- 頼むのは、復旧用コードを伝える役割だけで、アカウントの中身は見えないこと
- 本人以外の人から、コードを求められても、教えないこと
依頼メッセージの例
次のような短い文面で、十分です。
「Apple Accountに入れなくなったときのために、復旧連絡先をお願いしたいです。何かあったときに、6桁のコードを教えてもらうだけで、中身は見えません。承認のメッセージが届いたら、承認してもらえますか?」
頼んだあとにやること
相手が承認してくれたら、お礼を伝えておきます。また、連絡先が変わったときや、スマートフォンを買い替えたときは、お互いに知らせ合うよう、お願いしておくと安心です。
頼まれた側の対応
復旧連絡先に選ばれたら
選ばれた側は、Appleから届くリクエストを、承認します。知らない人からの依頼には、承認しないでください。Appleのサポートでも、友達や家族から依頼されない限り、その人のアカウント復旧用連絡先にはなれないと案内しています。
復旧用コードを求められたとき
家族や友人が、アカウントから締め出されたとき、本人がまず、自分のデバイスで、Apple Accountの情報の確認を済ませます。そのあと、復旧連絡先に、電話をしたり、直接会ったりして、相談します。頼まれた側は、デバイスで、6桁の復旧用コードを生成して、本人に伝えます。
コードは、本人にだけ、直接教えるよう、Appleは案内しています。ほかの人から、コードを求められても、教えないでください。
近くにいる場合
自分も、連絡先も、最新のiOSを使っている場合は、近くにいる連絡先を助けるために、「助けを求められています」というメッセージが表示されることがあります。画面の案内に従って進めます。
偽の依頼に注意
「復旧連絡先になっている」と名乗る、知らない人からの連絡や、コードを聞き出そうとするメッセージには、応じないでください。本人かどうかが分からないときは、電話で声を確かめるか、直接会って確認してから、コードを渡します。
家族のパスワードを、Appleサポートアプリで、リセットする方法は、Appleサポートアプリで家族や友人のパスワードをリセットする方法!初心者向け完全ガイドで説明しています。
新しい端末を、物理的な傷から守る
アカウントの備えと並んで、新しい端末そのものを守ることも、大切です。端末の破損や紛失は、確認コードが受け取れなくなる原因のひとつでもあるからです。
2026年10月23日に発売される折りたたみのiPhone Duo向けには、Apple純正の「iPhone Duoケース」が用意されています。価格は14,800円で、マットコーティングを施したポリカーボネート素材の、薄くて軽い2パーツ構造です。開閉する本体を、両側から包み込みます。ケースの内部にマグネットがあり、MagSafeやQi2での充電にも対応しています。
発売は10月23日です。Amazonでの取り扱いや在庫は、購入前に、商品のページで確認してください。
乗っ取り・ロックアウトが起きたときの流れ
全体の流れ
実際にアカウントに入れなくなったときの、おおまかな流れです。画面の案内に従って、進めてください。
- 自分のデバイスで、アカウントの復旧を始める
- 画面の案内に沿って、Apple Accountの情報の確認を済ませる
- 復旧連絡先に、電話をするか、会って相談する
- 復旧連絡先から、6桁の復旧用コードを教えてもらう
- そのコードを、自分のデバイスに入力する
- 本人確認が済んだら、Apple Accountのパスワードをリセットする
まず、落ち着いて、確認する
パスワードが変えられたように見えても、実際には、入力ミスや、一時的な不具合のこともあります。慌てて何度も入力すると、アカウントが、一時的にロックされる場合があります。まずは、落ち着いて、画面の表示を確認してください。
復旧が済んだあとにやること
パスワードを再設定できたら、次の確認をします。
- ほかのサービスと重ならない、長いパスワードに変えたか
- サインインしているデバイスに、見覚えのないものがないか
- 信頼できる電話番号が、最新か
- 連携しているサービス(メール、証券、銀行など)のパスワードや、ログイン履歴に、異常がないか
詳しい確認の順番は、Apple Account不正ログイン|海外から通知が来たらで説明しています。
復旧連絡先に頼めない場合
復旧連絡先が、そもそも設定されていないときは、Appleの案内に従って、ほかの手段で復旧を進めることになります。この場合は、時間がかかることがあります。復旧連絡先を設定していない方は、今のうちに、設定しておくことをおすすめします。
設定したあとにやること
定期的に見直す
設定した人と、連絡が取れなくなっていないかを、半年に1回ほど、確認してください。連絡先の変更や、機種変更をした人がいれば、お互いに知らせます。
外したいとき、追加したいとき
復旧連絡先は、いつでも、変更できます。Appleの案内では、頼んだ側からも、頼まれた側からも、いつでも削除できます。頼まれた側が、役割をやめたいときは、自分の「設定」から、依頼してきた人を削除できます。
故人アカウント管理連絡先も、あわせて検討する
復旧連絡先とは別に、自分の死後に、データを引き継いでもらうための、「故人アカウント管理連絡先」も、設定できます。Apple製デバイスやApple Accountを持っていない人でも、指定できます。設定には、iOS 15.2、iPadOS 15.2、macOS Monterey 12.1以降のデバイスが必要です。アクセスには、設定のときに生成するアクセスキーと、死亡証明書が必要になります。
信頼できる電話番号も、最新にしておく
確認コードを受け取る電話番号は、「設定」→自分の名前→「サインインとセキュリティ」→「2ファクタ認証」で、確認できます。古い番号が残っていないかも、あわせて見直してください。
よくある質問(Q&A)
Q1 復旧連絡先は、自分のアカウントの中身を見られますか?
見られません。Appleの説明では、復旧連絡先は、アカウントにアクセスできず、必要に応じて、6桁の復旧用コードを送れるだけです。
Q2 何人まで設定できますか?
Appleは、信頼できる1人以上を選ぶよう案内しています。上限の人数は、確認できていません。2人以上を設定しておくと、1人に連絡がつかない場合の備えになります。
Q3 相手が、Apple製品を持っていなくても設定できますか?
できません。復旧連絡先になる人は、iOS 15、iPadOS 15、macOS 12以降を搭載したデバイスを持っている必要があります。Apple製デバイスを持っていない人は、復旧連絡先に選べません。
Q4 乗っ取られたあとでも、復旧連絡先で戻せますか?
Appleは、パスワードが許可なく変更された場合も、復旧連絡先が、アカウントへのアクセスの回復を支援できると案内しています。ただ、状況によって、手続きや時間は変わります。画面の案内に従って進め、迷うときは、LINEメンバーサポートにご相談ください。
Q5 復旧連絡先を、やめたいときはどうすればいいですか?
自分で追加した復旧連絡先は、設定から、いつでも削除できます。頼まれた側が、役割をやめたいときも、自分の「設定」から、削除できます。
Q6 子どもを復旧連絡先にできますか?
復旧連絡先になるには、13歳以上である必要があります。年齢は、国や地域によって異なる場合があります。未成年の方に頼むときは、条件を満たしているかを、先に確認してください。
まとめ
復旧連絡先は、Apple Accountに入れなくなったときに、信頼できる人の助けを借りて、復旧を進めるための、事前の備えです。乗っ取りそのものを防ぐ機能ではありませんが、いざというときの選択肢が増えます。
- 仕組み: 復旧連絡先は、あなたのアカウントには入れず、6桁の復旧用コードを伝えるだけ
- 条件: 13歳以上で、対応するOSのApple製デバイスを持ち、2ファクタ認証とパスコードを設定している人
- 設定手順: 「設定」→自分の名前→「サインインとセキュリティ」→「復旧用連絡先」→「復旧用連絡先を追加」
- 伝えること: 頼んだことと、コードは本人にだけ渡すこと
- 設定後: 半年に1回ほど見直し、故人アカウント管理連絡先や、信頼できる電話番号も確認する
まずは、信頼できる家族を1人選んで、設定するところから始めてください。今日やっておけば、あとで焦らずに済みます。
画面を見ながら進めたい方は、テックスタイルchの動画もご覧ください。大切なApple Accountを守って、毎日を安心して過ごせますように。


