問古いiPhoneが突然遅くなる現象とは?
この問題が古くから噂されており実際に2016年頃から、古いiPhoneを使用していた一部のユーザーが「急に端末の動作が重くなった」「アプリの起動が遅い」といった問題を報告し始めました。特に、iOSのアップデート直後にこのような症状が出るケースが多く、SNSやフォーラムを中心に疑問の声が拡がりました。
この現象が明らかになったのは、ある一部のユーザーがバッテリーを交換したところ、iPhoneの動作が劇的に改善したと報告したことに始まります。現在もiOS18アップデート後に比較的古いiPhone端末を利用している一部のユーザーからAppleが意図的に性能を低下させている噂が再浮上しております。
Appleの性能制御機能の仕組み
Appleは2017年12月、公式に以下の事実を認めました。
「iOSのアップデートにより、バッテリーが劣化したiPhoneに対して、突然のシャットダウンを防ぐためにCPUの性能を意図的に制御する機能を導入していた」
この性能制御機能は、iOS 10.2.1以降に導入され、対象機種は以下の通りです。
- iPhone 6 / 6s / SE(初代)
- iPhone 7
- iPhone 8(後のアップデートで追加)
- iPhoneXシリーズ
- iPhoneXSシリーズなど更にiPhone端末の報告が上がっております。
この制御は「スロットリング」とも呼ばれ、バッテリーの電圧が落ちた際に端末の動作を抑制することで突然のシャットダウンを防止する仕組みです。
アメリカでの集団訴訟の背景と経緯
Appleがこの事実を公表したことで、「消費者に対して意図的に情報を隠蔽したのではないか」という疑念が世界中で広がり、アメリカでは複数の集団訴訟が提起されました。
主な訴訟内容は以下の通りです。
- Appleが性能低下の事実をユーザーに明示せず、不適切な情報提供をした
- ユーザーはパフォーマンス低下を「故障」と誤認し、新しいiPhoneに買い換えた可能性がある
- 消費者の選択権を侵害した行為である
裁判の判決内容とAppleが支払った和解金
2020年、アメリカにおいてAppleは集団訴訟の一部に対して和解することを決定し、最大で5億ドル(約540億円)を支払うことで合意しました。
- 対象となったのはiPhone 6、6 Plus、6s、6s Plus、7、7 Plus、SE
- ユーザー1人あたり25ドル(約2,700円)の支払いが行われました
Appleは和解に応じたものの、過失を認めたわけではないと明記しています。

世界各国での訴訟と消費者対応
アメリカ以外でも以下のような訴訟・調査が行われました。
- フランス: Appleに対し2,500万ユーロの制裁金
- イタリア: 不当商法として1,000万ユーロの罰金
- 韓国: 集団訴訟が進行中(2025年現在も)
- 日本: 消費者庁による調査は行われていないが、民事訴訟の準備中との報道も
日本ユーザーが知っておくべきこと
日本国内でも多くのユーザーが影響を受けていたと見られますが、Appleはグローバル対応という名目で国内向けの個別補償を行っていません。
重要なポイント
- iOSアップデート後の性能低下に気づいたら、バッテリーの状態を確認する
- Apple正規サービスプロバイダでのバッテリー診断が推奨される
- 不調が続く場合は、iOSの「バッテリー性能管理」オフの設定を試す
技術的見解
Appleの実装した性能制御は、技術的には合理的な側面もあります。リチウムイオンバッテリーは経年劣化によりピーク出力が不安定になり、結果的にCPUやGPUの急な電力要求に応じられなくなる場合があります。
しかし問題は、この制御をユーザーに通知せず、透明性に欠けた形で行った点にあります。
技術者から見れば「妥当な実装」とも言えますが、消費者保護の観点では明らかな説明責任の不足と言えます。
今後のiOSアップデートとパフォーマンス管理
現在のiOS(2025年5月時点)では、以下のような改善が見られます。
- バッテリー管理機能が視覚化され、ユーザーによる確認が容易
- 新しい「Apple Intelligence」機能によりリソース制御がさらに洗練
- iPhoneの設計自体も省電力化が進み、性能低下の必要性が減少
ユーザーとしては、バッテリー交換や定期的なメンテナンスを行うことで、長期間にわたって快適にiPhoneを使用可能です。
まとめ
Appleは過去に性能低下の事実を認め、一定の補償を行いましたが、当時の説明不足が消費者の信頼を損ねたのは明らかです。今回の記事については、古い情報ですが現在もAppleは意図的にiPhoneの性能を低下させている事例などが挙げられております。日本では、あまり集団訴訟などユーザーの主張をAppleへ訴えかける行為は見られませんが実は海外では数多くの訴訟になっているのが事実です。