はじめに
「Macはウィルスに感染しない」という神話を耳にしたことがあるかもしれません。多くのユーザーが「Macは安全」と思い込んでいますが、現実は異なります。実際に、MacもWindowsと同様にウィルスやマルウェアの攻撃対象となっており、その数は年々増加傾向にあります。本記事では、Macのウィルス感染リスク、具体的な感染事例、そして安全に使用するための対策方法をテックスタイルchが解説していきます。
Macは本当にウィルスに強いのか?
かつては、Macは市場シェアが低く、攻撃者のターゲットになりにくいと言われていました。しかし、近年ではMacの人気が高まり、市場シェアも拡大しています。その結果、Macを狙ったウィルスやマルウェアも増加しており、「Macは安全」という神話は崩れつつあります。
- 理由1:市場シェアの拡大
Macの市場シェアが拡大するにつれて、攻撃者がMacを標的とする動機が高まっています。Windowsに比べて脆弱性が少ないと言われていた時代もありましたが、最近ではMac用のマルウェアやフィッシング詐欺も増加しています。 - 理由2:ウィルスやマルウェアの進化
マルウェアは日々進化しており、AppleのmacOSのセキュリティ機能を突破するケースも報告されています。ゼロデイ攻撃や新種のウィルスが登場する中で、Macもその脅威から逃れることは難しくなっています。
実際のウィルス感染事例
Macのウィルス感染事例は、インターネット上で数多く報告されています。ここでは代表的な事例をいくつか紹介します。
- 事例1:Flashbackトロイの木馬
2012年に大規模な感染が報告されたFlashbackは、Javaの脆弱性を悪用して数十万台のMacに感染しました。このトロイの木馬は、ユーザーの許可なしにシステムに侵入し、個人情報を窃取することができるものでした。 - 事例2:Shlayerアドウェア
Shlayerは、Mac向けのアドウェアで、ユーザーが動画のコーデックや偽のFlash Playerのアップデートをインストールする際に感染することが多いです。感染すると、広告が勝手に表示され、ブラウザの動作が遅くなるなどの影響が出ます。 - 事例3:KeRangerランサムウェア
2016年に発見されたKeRangerは、Mac用の最初のランサムウェアとされ、感染したシステムのファイルを暗号化し、身代金を要求するものでした。感染ルートは、感染したアプリケーションのインストールでした。
Macでのウィルス感染を防ぐための対策
ウィルス感染を未然に防ぐためには、いくつかの基本的な対策を講じることが重要です。ここでは、Macユーザーが実行すべき具体的なセキュリティ対策を紹介します。
- 対策1:最新のOSとソフトウェアにアップデートする
Appleは定期的にmacOSのセキュリティアップデートを提供しており、これにより新たな脆弱性が修正されます。常に最新バージョンのOSを使用し、セキュリティリスクを低減しましょう。また、アプリケーションも定期的にアップデートし、脆弱性を修正することが大切です。 - 対策2:信頼できるウィルス対策ソフトをインストールする
Macにもウィルス対策ソフトの導入が考えられますが、テックスタイルch的な見解としてはセキュリティソフトは必要ないと考えております。ただし最終的にセキュリティソフトを導入する・しない・はユーザー判断です。ユーザーの中で何か操作する前に警告を出して欲しいと思われている方はセキュリティソフトを利用するのはありかもしれません。 - 対策3:アプリのインストール元に注意する
正規のApp Storeや信頼できるウェブサイトからのみアプリケーションをインストールすることが重要です。特に、無料ソフトや偽のアップデートサイトからのインストールは、ウィルスやマルウェアの感染リスクを高める可能性があります。 - 対策4:ファイアウォールを有効にする
macOSにはファイアウォール機能が内蔵されており、外部からの不正なアクセスをブロックします。この機能を常に有効にしておくことで、攻撃者からの不正アクセスを防ぐことができます。 - 対策5:フィッシング詐欺に注意する
メールやウェブサイトでのフィッシング詐欺は、ウィルス感染の主な原因の一つです。不審なリンクや添付ファイルを開かず、信頼できる送信元かどうかを確認することが重要です。また、セキュリティソフトのフィッシング対策機能を活用することも有効です。
ウィルス感染後の対処方法
万が一、Macがウィルスに感染してしまった場合、早急な対応が必要です。以下は感染後に取るべき基本的なステップです。
- ステップ1:ウィルス対策ソフトでスキャンを実行する
仮にウィルス感染が疑われる場合に対処方法の一つとしてウィルス対策ソフトでシステム全体をスキャンし、感染したファイルやプログラムを特定します。 - ステップ2:感染したファイルを隔離または削除する
スキャンによって特定された感染ファイルは、隔離または削除することでシステムへの影響を最小限に抑えます。 - ステップ3:重要なデータのバックアップを確認する
ウィルス感染によるデータ損失に備えて、定期的にバックアップを取っておくことが重要です。感染後にファイルが損傷した場合、バックアップから復元できる可能性が高くなります。 - ステップ4:セキュリティ設定の見直し
感染の原因となった脆弱性を特定し、それを修正するためにセキュリティ設定を見直すことが必要です。これには、ファイアウォールやセキュリティアップデートの適用、ウィルス対策ソフトの強化が含まれます。
まとめ
「Macはウィルスに感染しない」という誤解は危険です。実際には、Macも様々なウィルスやマルウェアの脅威にさらされています。本記事で紹介したように、最新のソフトウェアアップデート、信頼できるウィルス対策ソフトの導入、正規のアプリケーションの利用など、基本的なセキュリティ対策を講じることで、ウィルス感染のリスクを大幅に低減することが可能です。安全にMacを使用するためには、日々の意識と適切な対策が欠かせません。